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あれは…! !
「あ、銀だ」
「健斗ええもんもっとるやん、取ったん?」
銀が平然と健斗に話しかける
健斗がこっちを向く前に銀の後ろに隠れた
み、水着が…
俺はいつの間にか銀に水着を脱がされてつまるところ下半身は銀に着せられた『アレ』だけだった…
健斗は銀にさっきのヒトデを見せていた
「うん、おれが潜って取ったんだ!!」
「そかそか、良かったなぁ…」
銀は笑顔で健斗とそんな事を話しながら後ろでに俺の水着を持って水の中でゆらゆらさせていた
いつ足から抜いたんだよ!!
くそっ…
水着を引っ張っても銀は離してくれない
もし辻くんが健斗のとこに来たらとか猛が起きて気づいたらとか気が気じゃなくて銀の後ろに隠れてきょろきょろ周りを気にしてなんだかすごく挙動不審だった
銀は健斗と話してる間もわざと体を揺らしたり、動いたりしてみて俺の不安を煽って楽しんでいる
俺は銀の動きに合わせながら水着を一生懸命に引っ張ることしかできなかった
「ぎ…ぎん…」
「…なーに?まな?」
あえて小声で銀を呼んだのに銀はわかっているわざと大きな声で俺に聞き返してきた
腹が立って銀の背中にゴンッと頭突きする
しばらくそんな状態のまま銀が健斗と話し続けて俺はずっとソワソワしたまんまだった
幸い猛も辻くんも海には戻ってこなかったし健斗もヒトデの話に夢中で俺の異変に気付いた様子はなかった
そしてちょっとして銀がフッと笑って意味深な表情を俺に向けてから大きな声を出した
「あ!!健斗!!あれ見てみ!!」
「え!?どれ!?」
「………」
………そんな古典的な方法を使う銀もそれに引っ掛かるけんともどうかと思う…
はんっとちょっと鼻で笑うみたいにしてたら銀がクルッとこっちを向いて俺の膝の裏から掬い上げた
…み、水からでる…!!
健斗はまだどれー?なんて言いながら銀が指差した方を一生懸命見ていた
「銀!!やめろって!!」
「………」
「う…あ…み、水から出たら……うわぁ!!」
「…?」
ばれる…!!
と思ってキュッと目をつぶった
でもその予想に反して俺は気づいたら銀がさっき持って来てた大きな浮き輪にお尻をはめるような形で座ってた
………へ…?
健斗もこっちを見て?って顔をしている
「あー…ごめん見間違いやわ、ほら、健斗ヒトデ猛のとこ持ってくんやろ?オレとまな向こうで泳いどるから」
「あ!!そうだった!!」
「晩御飯には戻るって言っといてや~」
「わかった!!」
そう言って健斗はばしゃばしゃと浮き輪に乗ったまま水を蹴って猛の寝てる砂浜まで泳いで言った
銀と二人、しかも俺は『アレ』を着て海の上に残される…
銀がこっちを振り向いてにやっと笑った
悪い予感しかしなかった…
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