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第50話
風呂から上がって、服を着て髪を乾かしてリビングに戻る。
ソファーに座ってる八神を見て普段は全然速くならない鼓動がうるさいくらいなっている。
「あ、あがったん」
「…ああ」
八神に近づいて後ろから抱きしめる。
「なあ、めっちゃドキドキしてんの聞こえんねんけど」
「ああ」
「緊張してる?」
「してる」
「ふふっ、俺も。」
ゆっくり振り返った八神。どちらともなくキスをした。舌を絡ませてクチュっと水音が鳴る。ゆっくり唇が離れて見つめ合った。
「ベッド、いこ?」
そう言った八神の手を取り寝室に連れていく。ベッドに座らせてまた見つめあいキスを繰り返す。
息が苦しくなったのか、それとも何かに縋り付いてたいのか、俺の服の袖をギュッて握って眉間に皺を寄せる八神が愛しくて。そのままゆっくりベッドに押し倒した。
「なあ…好きって、言うて」
「好きだ」
「うん…俺も、大好き」
八神の服の裾から手を差し入れる。素肌に触れるとビクッと震えて不安そうな目で俺を見た。
「怖いか?」
「…こわ、くない」
怖くないなんて嘘だとすぐにわかった。八神は目を涙で潤ませていたから。
「無理はしなくていい」
「無理じゃない」
「いいのか?」
「…うん」
ゆっくり目を閉じた八神、目尻から涙が零れてそれを舌で舐めとった。
素肌に触れていた手をゆっくりと上に滑らせていく。ビクビク震えていてくすぐったいと八神が訴えてくる。
「ぅ、あ…」
手を上に上げていくと胸の飾りに辿り着いてそこを撫でた。大袈裟にビクンと震えた八神は恥ずかしそうに顔を赤く染める。
「お、俺、胸感じとる…!」
「そうだな」
「変?嫌い?」
「何でだよ、嫌いな訳ないだろ。」
安心したように胸をなでおろす八神。感じるのがわかって俺はなんだかすげえ楽しくなってキュッとそこを摘んだ。
「ひっ!」
声が出たのが恥ずかしかったのか捲ってるシャツと一緒に、手を口元に当て声を抑えようとする。抑えなくていいとその手を取り頰にキスを落とした。
「は、はぁ…っ」
「声出せ」
「ん、っ、恥ずか、しい…」
「恥ずかしくねえよ」
首筋にツツツと舌を這わせて、そこに軽く噛み付く。
「な、なあ、」
「何だ」
「そのまま、キスマーク付けてほしい…」
「ん」
キツくそこを吸ってまた軽く噛み付く。赤くなってるそこを見てじんわりと心が暖かくなって満たされていく。
「下、脱がしていいか?」
「…う、ん」
ギュッと目を瞑る八神、その瞼に唇を落とした。
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