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第71話
寝ちまった琴音の腕を解いて抱き上げ、風呂場に運ぶ。汚れを落として風呂に浸かろうとした時に琴音がボーッと眼を覚ました。
「すご、腰から下いつもより感覚ないでなんとなく」
「あんなに敏感だったのにな」
「……言わんで。」
俺に背中を預けて座っていた琴音。くるりと振り返り触れるだけのキスをしてきた。
「たまにはいいな、こういうん。」
「よかったか」
「焦らされるんは、ちょっと辛いけど…その分気持ちよかった」
ヘラリ、笑ってみせた琴音は「眠たい」とまた俺に背中をぴったりくっつける。
「もうちょっと頑張れ。せめて風呂上がるまで」
「うん…」
寝てしまってもずるっと落ちていかないようにと琴音の腹に腕を回した。
「好きぃ」
「ああ」
「お風呂、上がったら…一緒に寝る…」
「いつも一緒に寝てるだろ」
「ふふっ、そ、やったぁ」
本当に眠たいらしく舌足らずな話し方、いつもより少し幼くも感じる。
「上がるか」
「…うん」
俺が先に上がって立てないと言う琴音を支えて立ち上がらせ、風呂場を出て体を拭く。
すぐに服を着て琴音をソファーに座らせシーツを変えてからまた2人で寝室に帰る。
「…俺な、俺な」
「ん」
「セックスしてる時も、幸せやけど、こうやって2人で寝転んでるだけでも幸せ」
「俺も、そう思う」
「幸せ?俺とおれるのん、幸せ?」
「ああ。」
抱きしめてやると柔らかく笑って琴音も俺の背中に腕を回してくる。
「おやすみ」
「…おやすみ」
その後に、また小さな声で好きだって言われて、改めて可愛い奴だなと思った。
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