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第72話

「大和、大和起きてー」 「…あ…?」 朝、起きてという声で起きると八神が俺の方を向いてニコニコ笑っていた。まだ眠たいな、と思い八神を引き寄せ抱きしめると「違う違う!」と腕をペシペシ叩かれた。 「あのな、腰が痛くて動かれへんねん。…お腹空いてん、ごめんやけど、ご飯作ってくれやん?」 「…悪い、すぐ作る」 腕を離して起き上がり今何時だと時計を見て、まだまだ仕事に間に合う時間だと知る。キッチンに行って何があったっけ。ととりあえず冷蔵庫の中を見てあるもので飯を作りそれを寝室に持っていくとニコニコ笑った俺に手を振ってきた。 「座れるか?」 「うーん…なあなあ、後ろ座って?俺専用の座椅子〜」 「わかった」 お盆に乗せた飯をローテーブルに起き八神を支えて後ろに回り足の間に八神を座らせた。 「ん…」 「それ、取れるか?」 「うん」 俺にもたれる八神に悪かったなと一言謝ると「なんで謝んのん」と怒られる。 「お前に負担かけすぎたな」 「そんなんええの!俺な、大和と繋がれたーっていうのがわかる…この、鈍痛?好きやで」 「そうか」 「うん。じゃ、いただきまーす」 手を合わせて箸を持ち食べだした八神をぼーっと見ながら眠たいなと目を閉じる。 「大和。……大和…?」 トン、と八神の背中が俺の胸に当たる。 「ん…」 「起きてー?」 「ああ…悪い」 「ううん、いいねんけど…寝るんやったら寝転んだ方がいいよ。腰とか首とか、痛くなんで」 「ああ」 後ろから八神の腹周りに手をやって抱きしめる。八神の肩に額を押し付けてはぁ、と息を吐いた。 「ふふっ」 「何だ」 「…なんか、甘えてくれてるなぁって、嬉しくて」 手を伸ばして俺の髪を軽く撫でる八神。それがなんとなく心地よくて、されるがままにじっとしてた。

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