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第73話
八神と少しの間そうしてると準備を始めないといけない時間になって、さっさと動いて準備を整えてベッドに寝転がる八神に強請られ、キスをして「行ってくる。」と言い家を出た。
組に着くと幹部はまだ誰もいなくて、幹部室でゆったりと過ごす。一つあくびを零して「さあ、動くか」と腰を上げたところで携帯が震えた。
画面を見ると八神からで仕事中に電話なんてしてくるやつじゃなかったし、何かあったのか。と電話に出るとすごく焦った声で名前を呼ばれた。
「やま、大和、大和っ」
「どうした、落ち着け」
「俺、あかん、も、怖いっ」
落ち着けと言っても聞かない八神。
どうするか、と考えて深く息を吐いた。
「琴音」
「…っ、う、ぁ」
「落ち着け」
「うん、うん…」
名前を読んで、今度こそ落ち着いた八神。深呼吸を繰り返してゆっくりと話し出した。
「連れ、戻される…」
「何で」
「今、連絡来て…っ」
「それはいつかわかるか」
「…た、多分、明後日、こっち来る言うてた…」
「…わかった」
明後日ならまだ時間はある。ゆっくり落ち着いて考えたら、八神が連れて行かれないように、何か策が思いつくはずだ。
「大和ぉ…っ」
「…午前中だけ、一人でも我慢できるか」
『…我慢、できる』
「少しだけ、我慢してくれ。そしたらすぐに帰るから」
「わか、った。…待ってる、から」
「ああ、待ってろ」
そこから急いで仕事をした、いつの間にか幹部全員が部屋にいたけれどそんなことにも気付かないで必死に。ささっと終わらせて親父に許可をもらって急いで家に帰る。
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