「大和」 「ん？」 「…ずっと、悩んでた、ことがあって…」 「ああ」 その日の夜、ベッドに入りもう寝ようとしていた時に八神が俺の方を向いて真剣に話してきた。 「俺、小さい子が好きでな、…やから、保育士なりたいなって、思っとってんやん」 「ああ」 将来のこと、それは大切なことだから八神のやりたいようにすればいい、俺が口を出すことじゃない。と黙って話を聞く。 「でもな、今は自分が何をしたいのかっていうのがわからへんくて、将来の自分がこうやったらいいなって思って想像するんやけど……」 「けど？」 恥ずかしそうに俺から目を逸らした八神。「何だよ」と言葉を続けると小さな声で何かを呟いた。 「聞こえねえ」 「や、大和の、隣におれたら、いいなってことしか、思い浮かばんくて…」 俺の方を向いてたくせに体ごとプイッと向こうを向いて丸まる。 後ろから八神を抱きしめる。クスクスと漏れる笑い、「なんで、笑っとんの…！」と小さく怒った八神の首にちゅ、と唇を当てる。 「な、何」 「俺も、そう思う」 「え…？」 「…だから、将来、お前の隣にいれたらなって思うよ」 耳元でそう言うと俺を振り返った、顔を真っ赤に染めて涙を目に溜めて強く抱きついてくる。何度も何度もキスをして、それでも満足しないと唇を離すとイヤイヤと首を振って追いかけてきた。 「甘えたか？」 「うん、甘えてんの」 「可愛いな」 「ふふっ、大好きっ」