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第99話
───3ヶ月前
「仕事行ってくる」
「…なんか、いつもより気合入ってへん?」
「………………」
暗い顔をする大和が気になって「どうしたん?」って言いながら手を伸ばしたら、それをスッと避けられて思わず「えっ」と小さな声が漏れた。
「お前には言ってなかったけど、デケェ抗争が始まるかもしんねえ」
「こう、そう…」
「俺も、無事じゃねえかもしれねえんだ」
「え、っと、ちょっと待って」
「俺も、命も、それに若だって危ない」
突然言われたことに頭が追いつかへんくて、両手で大和の両腕をぐっと掴んだ。
「まだ、始まってないんやろ?」
「…ああ」
「じゃあ、大丈夫」
まだ大和が死ぬわけじゃない。
それに安心してると大和の腕を掴んでた片手を取られて「お前も気をつけろ」と言われる。
「お前は何かと浅羽に繋がってるんだ。若と命の友人でもあって、俺の恋人でもある。これからは絶対に1人で行動するな」
「…そんなこと、今更言うん?」
「ああ」
そう言って切ないくらい優しいキスをされる。
「俺、大和のこと大好き」
「俺も、好きだ」
力強く抱きしめられて、その反動で涙が出そうになる。ぐっと唇を噛んで堪えて、「じゃあ行ってくる」と困ったように笑いながら俺から離れた大和に本気で"行かんといて"と止めたくなった。
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