渥が少し赤い目をして、喘ぐ俺を見下ろしながら己の唇を舐めた。 「ふ、…気持ちいい？」 「ああッ、あっ、あ、き…きもち、いいっ」 「そんな、締め付けて喜んで…キツすぎる。ちょっと緩めろ…ッ」 「はあ、ンッ…む、むり…無理、イ、きそ…！」 「またイクの？…はッ…いいよ、イケよ！」 激しい突きに体が揺さぶられ膝が震える。渥の手が俺の前に触れ、動きに合わせて擦られ二度目の射精感が駆け上がっていく。 「だめ、だめッ、イク、イっちゃう、俺、アアアッ…！！」 「ッ」 イクと同時に締め付けてしまったのか、渥が僅かに眉を寄せる。二度目だと言うのに、色の濃い白濁液は渥の手を汚した。 「はっ…はあ、…はあ」 荒い呼吸に漂う自分の精液の匂い。肩で息をする俺の腕を引っ張り、体が反転させられ俺の顔は今まで掴んでいたふかふかの枕に埋もれてしまう。そして休む暇も無く再開される前後運動に堪らずストップをかけた。 「ぁあ、ああ…渥！止まって！っア、ん、あア…俺っ今イッた、ばっか」 「知ってる、でも足りないだろ…？俺は全然足りない」 今度は後ろからの奥深くへの突き上げに先程とは違う場所が抉られ、キツすぎる快感に逃げ出しそうなった。だけど掴まれた腰を容赦無く引き戻されてしまい身動きが取れない。 「あっあ、…やっ、渥…ッ！」 「睦人」 渥が俺に覆い被さるように上半身を倒し、熱い息が項に触れる。ビクリッと背中が分かりやすく飛び跳ねた。 たって、唇が。 俺の曝け出された項に、渥の唇が触れている。 「な、なに…？」 「そんなビビるなよ。番なんて…くだらない繋がりなんだから…ッ！」 唇を項に沿わせたまま喋る渥は、ゴリッと奥深くを突き上げた。 「ひぁアッん、…！？」 「αが優位なようで、結局αはΩのフェロモンには勝てないんだ」 「ふか…いっ……っ！アアッ」 「番だなんて、ほんとにそこに愛があると思うか…？なあ、睦人。おまえ今、ただの幼馴染だった俺が愛おしいだろう？好きで好きでたまらないだろ」 べろりと項を舐められて、涙が浮かぶ程の甘い痺れに背筋が震えた。