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★ピンクのギターの麻也王子→19-1

 キラキラと輝くステージの上で白のロングジャケットの麻也はピンクのレスポールをかき鳴らし、 ギターソロではそれを見せびらかすように脚を大きく開いて上体を大きくのけぞらせた。  ディスティニー・アンダーグラウンドのツアー初日。  麻也が動くたび、客席の歓声はますます大きくなっていく... と、濃い紫のスーツの諒がセンターから近づいてきて、左腕で後ろから抱きついてくる。 そして耳打ち... ...麻也さん無理しなくていいから... 麻也はほっとして笑顔で諒を見た。 それを見て二人の愛を目撃したと興奮する客席の、黄色い歓声が悲鳴に変わる... それをさらに煽るように、客席に向かって諒が麻也の耳にキスをくれると、 超満員の悲鳴は、はますます大きな悲鳴に変わっていった...  ...いつものように駆け回るのはこの日は無理だったので、 悪魔のキスは時間を短く濃厚にして、 アンコール後の本当のラストに、ギターを置いた後、諒に支えてもらってステージの両そでに移動して、 客席に手を振ることになっていた。  普通にステージを降りてもいいようなものだが、 ファンの方は、自分の地元だけメンバーが早く帰ったということは、 イコール、この地区の客席が他の地区に比べて愛されなかった… 私たちの盛り上げ方がいまいちだったんだ…と悩むことが多いらしい。 ツアーを何か所も追っているファンから、ステージの詳細をを聞いてしまうこともあるからだ。 また、メンバーの体調不良説が流れたり、バンドによっては不仲説まで流れるらしい。  今回はせっかく麻也が体調を隠しているのに、というか説明のしようもないのだが… これもいつかは追っかけの子達の口からもれてしまうだろうけれど…

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