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★色ボケと言われた麻也王子→19-22

 直人は明るいムードを壊さないように、 「うん、うん、そうだけど。俺もできるなら兄上を休ませたいのはやまやまだけどさ…」 諒も思わず本音をもらしていた。 「外タレみたいに公演を飛ばせればねえ… ファイナルの武道館に絞って日を稼ぐとかさ…」 それも仕方がないかも…といった感じで直人も真樹も無言になった。 が、やっぱり麻也はいつもの麻也で、 「悪いけど、それは嫌だ。 最悪、椅子に座っても、車椅子でも、みんなには済まないけど、 全国俺はやっぱり回りたい。 バンドの最高の状態を楽しみにしてくるファンにも、ホントに悪いんだけど… ライブをに中止するよりは、この状態でも開催する方がはるかにマシだと思うんだ。」 そりゃそうだけど…と他の三人は言ったが…  …しかし、現にツアーは始まってしまっているのだ…  すると麻也は、 「じゃあ、ツアーが終わってから、ファンクラブの会報にだけ、 ちらっと、体調が悪かったことを載せてもらうってのはどう? その前に、俺がふてくされてるとか思われたら嫌だけど…」 「いや、兄貴、それはカバーできてると思うよ…」 笑いをこらえながら真樹が言うと、こらえられなくなったらしい直人は叫んだ。 「…色ボケの王子、じゃなかった、じいや! 」 リズム隊の二人が腹を抱えて笑うのを、麻也と諒は、意味が分からず見守るばかりだった…

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