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★迎え酒、より「迎え諒」な麻也王子→19-40

「ねえ、りょお…俺の1人やつの鑑賞は夜以降にしてぇ…」    暗くなる気持ちを忘れたい麻也は、疲れを隠した笑顔で自分の髪を撫でてくれている諒に甘えてみた。 すると諒は手を止め、うーん、と言う。 (俺も、うーん、だよなあ…ホントはまた諒と…したいし…) そして、諒は取り合えず水分持ってくる、とベッドから出たが… 「いちおうわかったけど、麻也さんも早くベッドから出ておいでよ。」 「うーん、ヤだ…」 「えーっ、何で~っ? 俺あんなに頑張ったのに…」 長身の諒の「がっかりすわりこみ」は圧巻だった。 「だからぁ、諒にせっかく充填してもらった愛がこぼれそうで嫌なの。」 適当に言ったのだが、言ってみると本当のような気が麻也にはした。 諒にも真実に響いたのだろう。シャイな諒はいつものように大いにおちゃらけた。 「もう、麻也さんたら♪ うふっ♪ そんなに言うならまた寝る前に充填してあ・げ・る♪」 これは、いい。麻也は思わず大きな声をあげた。 「えーっ? ほんと?」 と言ったのは覚えている。諒が驚きつつもやらしー顔で笑っていたのも。 しかしその後麻也は…意識がない…  目が覚めると夜だったが、麻也は「迎え酒」ならぬ「迎え諒」をぽわっとした意識の中で味わい…いや、優しく味わわれたような気もするが…、  寝る時間が来たらしく、薬の前には何か食べておいた方がいいと言われ、 生ハムとクリームチーズらしきものを口に入れられた気がする。 ベッドから出ないまま…そして薬をのませてもらって… (あー、こんなの映画で諒と見たっけ、けっこう怖い映画、 ナチスドイツの残党のラブストーリー…)  そんなふわふわした意識の中でも、麻也は諒に見守られて、抱かれて、 何度も快感の高みに…というのは、 朝目覚めて思い出したこと…  見回すと寝室に諒はいなかった。 「あれ? 」 いつしか白のパジャマの上だけを着せられていた。 そして… (何で俺、下には何も履いてないんだろう?) と、ブランケットをめくってパジャマのズボンやぱんつを探したが、ない…  ひとりで真っ青になっていると、 諒がうやうやしく銀のお盆で朝食をベッドに運んできた…

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