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★「本当の自分」に悩む麻也王子→19-39

 とは言うものの、麻也はかなり腰がだるいので、いつも通り、黒の部屋着の下だけの諒が自分のケアもしてくれて、 更にはくるくると動き回って片付けてくれるのをありがたくも眺めている。  ようやくひと段落ついたらしく、再びベッドに諒は潜り込んでくるとまた両腕で包み込んでくれて、 「…麻也さん、好き…」 と麻也が大好きな、温かな笑顔で見つめてくれる。  お互い仕事の時とは全く違う表情、  特にこうしたベッドの中の顔はそれこそお互いしか見たことがないだろう。  激しく繊細な性格で、さらにはきつい感じの美貌なので仕事の時は人を傷つけないように笑みを多く見せる諒。  そして、プライベートでは麻也を甘やかすことしか考えないらしい、大らかな笑い顔…  それは未だに自分が諒に過去の傷を告げていないということでもあるのだが…  しかし…麻也は諒に本当の自分は恐ろしくてさらせない…さらしたら諒に去られてしまいそうだと思う… (ワガママ…はもうバレてるか…) 考えるまでもない、か… (独占欲が強くて…は微妙…? ) …去る者は追わずのクールな路線をこれからも貫こう…いや、いつだったか、何か諒に突っかかった気もするが… (高校生の頃、瞬間湯沸かし器、って、バンドの先輩に言われたな…ぼやっとしてるくせに突然短気…)   それはちょっとおっとりした顔立ちとのギャップのせいかとも思うが… 困ったことに、諒はこの顔が可愛いなんて言い続けているし…    あとは…  思慮深さもないのだろう。  それであんなおぞましい出来事を招いてしまったのだろう…  そう思うと… (諒は本当の俺なんか好きになれるのかな…)

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