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第80話
「なぁ。美空。もうここに住んじゃわない?俺毎日でも会いたいんだけど」
「だって…そんなの…」
「いや?ダメかな?」
「…父さんが…」
「心配?」
「あの人完璧な人だけどかなり寂しがり屋だし…」
♪~
「あ…電話」
「出ていいよ」
「はい。ありがとうございます…祥一さん?もしもし」
『美空くん』
「どうしたんです?」
『あのさぁ…話あるんだけど今日会える?』
頷く先輩をみる
「わかりました。家に来ます?」
『うん。仕事終わったら行く』
「わかりました」
『後でね』
通話を終えると先輩が絡み付く
「美空」
「なぁに?」
「キスしていい?」
「何で聞くの?いいよ」
啄むようなキスをされる
「祥一さんてどんな人?」
「ん~…俺も暫く会ってなくて…でも誰より父を大切にしてくれるお友達です。いつもニコニコしていて可愛い人ですよ」
「もしかして…親父さんと恋人とか?」
「へ!!??わかんないっす…でも…母が亡くなって結構たってそろそろ新しい人って俺が勝手に思ってたし…祥一さんならいいかな?」
「その話だったりして…」
「えぇ!!」
「わかんないけどねぇ…でもお前帰れる?散々やった俺が言うのもなんだけど…」
「…無理かも…」
「ですよねぇ…送ってくよ」
「ありがとうございます」
そのあと甲斐甲斐しく世話をしてくれてどうにか歩けるくらいになった頃にはもう夕方で
「そろそろ行く?」
「はい」
下に降りたら少し待ってるように言われた
「おまたせ」
「先輩車乗れたんですか?」
「あ?うん。言ってなかった?」
「聞いてません…」
「ごめん。でも俺も普段はあんまり乗らないしな。一応円山行くとき使うこともあるんだけど」
先輩の運転はとても丁寧で安心して乗っていられた
「先輩運転うまいんですね」
「そう?ありがとう」
「もう…誰か乗せたんですか…?」
「ん?気になる?」
「…」
「そんな顔しないでよ」
丁度信号待ちになったから先輩がこっちを見てた。
「だってぇ…」
先輩はそっとキスをして目を見つめた
「初めに乗せるのは美空って決めてたから誰も乗せてないよ」
「ほんと?」
「うん。嘘ついてどうすんの?これからも助手席には美空以外乗せたくない」
「それは大袈裟」
「隣でガムとか食べさせてほしいもん。そう思うのは美空だけだよ」
「もう…恥ずかしい…」
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