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第170話

その連休を境に美空は少しずつ元気を取り戻していった。 「最近元気だな」 「うん。また…普通の親子に戻れた」 「普通の…」 「睦月には話しておこうかな…」 そして数時間の恋人期間後におこったことを聞き絶句した。 まだ陽平さんとそんなことしてたんだ…だから…俺とのことすぐに無かったことにしてって… こんなに苦しんでるのにそこまで俺にはわからなかった。 「それがもう解決したから。睦月心配かけてごめんね」 「お前が平気ならそれでいい。何かあればまたいつでも話は聞く。俺はお前の幼なじみだから」 「うん。睦月だけだよ。こんなに俺のこと思ってくれてるの。ありがとう」 「らしくねぇな」 「何それ!失礼だな」 これは照れ隠し。俺だけだって言ってくれたことが嬉しかったんだ 美空の髪をグシャグシャと撫でた それから数ヶ月…とうとうその日が来てしまった 『雪輪。お前と話したい。これからリバーサイドへ来れるか?』 葉月先輩からのメッセージ。 『わかりました』 葉月先輩から連絡が来たのは初めてだった。 美空に関することだと言うのは明白だった。 店に付く 『今従業員入口につきました』 それからすぐ先輩が出てきて先輩の家に連れてこられた。家には誰もいなくて整然としていた 「ごめんな。いきなり呼び出して」 人がいい柔らかい笑顔で、でも少しだけ緊張した面持ちの先輩を見据えた

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