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第10話

葉月先輩は同じ委員会の先輩。 仕事がうまくいかなくてみんなに迷惑ばかりかけていた俺をいつもフォローしていてくれたのが葉月先輩だった 葉月先輩は誰にでも優しいのでとても人気がある…わかっていたけど俺は好きになってしまった 何度か告白の現場に遭遇したこともある その度自分が男であると言うことを恨んだ…男だから…告白なんて出来ない…葉月先輩に引かれたくない… 今日の言葉でそれがさらに重くなる…だって…女の振りをしている俺に引かれると言ったから… やっぱりストレートの人なんだと思い知らされた 「先輩。泣かせたりしないで下さいよ。可哀想です」 「まあ…連絡先もわからないしな…また店に来てもらうしか会う方法なんてねぇし…」 「会えると良いですね」 「あぁ。なぁ…水無月」 「はい?」 「いや…何でもねぇ…」 「何ですかそれ!」 「また後でな」 立ち去る先輩を見送る…途端背中を叩かれる

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