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第21話

翌朝 父は結局朝まで戻らなかった。 戻ったのは夜明けで疲れ果てた姿がそこにあった 今日も朝から仕事だというのにこんな時間まで…あんまりだ… 「おかえり…父さん」 「ただいま…風呂入ってくる…」 風呂から上がった父は俺を激しく抱いた。 気づけばもう時間がきていた 「ん…俺はもう行かないとならないんだけど…」 「あぁ…わかってる…行ってらっしゃい…気をつけて…美空…今日は何時に帰る?」 「今日は先輩に勉強見てもらうから18時までには帰るよ」 「わかった…気をつけて」 父は俺を見送るために玄関先まで出てきた 外へ出ると睦月が待っていた 「おはよ」 「おはよ美空。親父さん大丈夫なのか?凄い顔色悪かったけど…」 ちらりと見えた父の顔が冴えないことにすぐ気づいたのだろう 「今忙しいみたいで。一昨日のあれも疲れて普通じゃなかったみたい」 「そう。お前は?大丈夫?」 「うん。あの事は父も謝ってくれたし…もう大丈夫。だからごめんね?」 「いつでも話は聞けるからな」 「ありがと。頼りにしてます」 睦月とはこの距離が一番良い…今の状況は誰にも打開できない…それこそあの会社の一部の人しか無理だろう。 「おはよ。水無月。雪割」 「おはようございます。」 「水無月…悪いんだけど…今日勉強みてやれない…」 「そうですか…わかりました」 「ごめんなぁ…お詫びにこれやる」 「なんですか?」 「マドレーヌ。雪割と一緒に食べて。本当にごめんね」 「いいえ。ありがとうございます」 「んじゃまた連絡するな」 「はい」 いつもなら玄関まで一緒に行くのに今日はそのまま行ってしまった…諦めると決めたけど…正直…まだ…苦しいな… 「美空?」 「どうしよ…勉強…」 「俺今日も教えてやろうか?」 「助かる…」 「放課後図書室行くか」 「うん」 「むーくん!!」 「うわっ…だから…毎朝やめろ。雛菊…俺の腰がやられる…」 「だってぇ。むーくんかっこいいし」 「いやいや…そういう問題じゃねぇだろ…」

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