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掴まった

驚き過ぎて固まった 金髪にピアス、俺よりも全然高い位置から視線を下げてくるそいつは 「く、黒宮」 「俺の名前知ってんのか」 いや、そりゃあれだけ噂が広まってれば知らない方がおかしいと思う ...とは言えないので黙る 気づけば黒宮が俺の顔をマジマジと見て眉間に皺が寄っているのに気づいた 「な、何だよ」 「...あ、お前同じクラスの野郎か」 「今の今まで気づいてなかったのかよ!」 「興味ねぇからな」 きっぱりとそう言うと黒宮は俺の肩から手を離した 興味無いって酷いな、あっても困るけどよ そこでやっと気付いた 「あれ、そういえばあの女の人は...」 「泣きながらどっか行った」 「え、随分と興味無さげ...」 「お前聞いてたんだから分かるだろ、別れた奴を追う必要なんてあるか?」 「んー、無い、と思う?」 女の子と付き合ったことが無い俺はどう答えたら良いか分からず、思わず疑問系になる ていうか 「く、黒宮怒ってねぇの?」 「怒る?何を?」 「え、その為に俺を掴まえたんだろ?」 お互いに話が合わず、ひたすら疑問が増えていく しばらくして 「あ、俺がお前を掴まえた理由か」 「そう、それ!」 黒宮は話題の趣旨を理解したのか話を進めた 「お前の後ろ姿が女に見えたから掴まえたんだよ」 「...は?」 「俺の見間違えでお前を女と間違えたんだよ だから、お前が女だったら次の俺のオンナになってたってことだ」 じゃあ全部俺の思い込みか、今すっげぇ安心した... じゃねぇよ! 「お前失礼だな!今まで数多くの女落としてきたんならせめて男との見分けはつけろよ!」 「お前が女に似てるのが悪いだろ」 「172cmで男並に肩幅広い奴が女とか思わねぇだろ!」 「お前で肩幅広いとか、笑わせんな」 鼻で俺を笑うと黒宮は足を進めた そして俺はそれを追い掛けるようにさっきの言葉の訂正をするように抗議したが、全くの無意味だった

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