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終わり
扉を開けると、そこにはしっかりとネクタイを締めた後輩の姿があった。
「先輩、来てくれたんですね。ありがとうございます。昨日返事が無かったので来てくれないかと思いました」
僕は何も言わずに彼に歩み寄った。
「今日はわざわざありがとうございます。お話があって・・・あの、俺っ・・・!」
ほぼ無意識だった。僕は彼を近くの机に押し倒していた。
「え・・・?先輩?」
細い肩や腰、柔らかい髪、色の白い肌。
見ているだけでよかった。そのまま卒業して、何事もなく年を重ねて、しばらく経って懐かしく昔を語り合えたら、なんて思っていた。
けど・・・
「ごめん」
反転させ、彼の手を机に付けさせる。ズボンと下着を同時に下ろす。
彼の制止の声も、聞こえないふりをした。
「昨日、ここに指、入れられてたよね」
「見てたんですか!?って、まって!・・・んあああ!」
「滑り、悪いね」
入れた中指を一度出し、自分の唾液を垂らしてもう1度入れる。徐々に出入りさせて解していく。
「ああ・・・せ、んぱ・・・なんで・・・」
指を増やし、ある程度余裕が出たところで自分のズボンを下ろす。
「先輩・・・?まって、まって!!!」
「っ!少し、キツいっ!」
無理やりねじ込んでいくと、彼の叫びは大きくなっていった。
「あうああ!いっ痛い!痛い!先輩もうやめて・・・!」
「何言ってんの。昨日、やったんでしょ?先生とさぁ!許してよ。もうすぐ卒業するからさ。これで、司からも卒業するから、さ!」
「ああ!あっ・・・んっん・・・ああ!」
何度も何度も、奥に差し込んでは引き抜いた。
――ガラガラッ
「そこまでだよ、先輩さん」
中断させたのは白衣の佐藤先生だった。
「そうなってるってことは、司クン、話出来たのかな?」
僕の下で後輩が首を横に振る。
「あららー。じゃあ先輩が無理やり、って感じかな。ダメじゃないか。後輩の話はちゃんと聞かなきゃ。って言っても、多分俺のせいだよねぇ」
先生に促され、僕は自分のモノを後輩から抜き、後輩は「あっ・・・」と鳴いた。
「え!?じゃあ司は先生のことが好きなんじゃないの・・・?」
「はい。僕が好きなのは、・・・先輩です」
「え?だってあの時も先生を見てて・・・」
「・・・?何のことです?俺は保健室の横の桜の木を見てただけで、先生は見てないですよ?手を振っていたことなら、その時先生が口パクで『がんばれ』と言ってくれたので、返しただけですよ」
不思議そうに首をかしげた後輩に、空いた口が塞がらなかった。
「そう。俺はずっとその相談を受けてて、男同士のセックスの仕方を教えてただけ」
「その前に先生は何で方法知ってるんですか」
「何でって、俺ゲイだし。というかそもそも年下とか興味ないし、第一俺ネコだから!」
先走って無理やり後輩に手を出してしまった自分が急に恥ずかしくなった。
「あの、先輩、すみません。先輩は卒業して新しい世界に踏み込むのに、自分のせいで余計なことを考えて欲しくなくて。だけど先生に、それじゃだめだって言われて、少し協力してもらったんです」
「で、先輩チャンはどうなの?司クンのこと、どう思ってるわけ?」
「それは・・・」
今更、これ以上恥ずかしいことなんてなかった。
「それは勿論、好きです。先生に嫉妬して無理やりやっちゃうくらい、好きです」
「先輩・・・!よかったら俺と・・・」
「待って!それ僕から言わせて!司、よかったらその・・・僕と付き合ってもらえませんか?」
「・・・!はい!勿論です!よろしくお願いします」
泣き出した彼を抱きしめた時、なんとも言えない愛おしさがこみ上げてきた。
「じゃあ、あとは若い二人でどうぞ〜」
先生は教室を出た。
「先輩、卒業式の次の日、俺の親旅行に行くんです。よかったらですけど、うちに来ませんか?」
「うん。行かせてもらうよ」
卒業しても、この時のキスは、絶対に忘れない。
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