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風立って嵐-06

「腰、揺れてるよ。もっと自分で気持ちよくなってみて」  親指と人差し指の輪で少しだけきつく締め付けて、わずか一センチほどスライドさせる。 「奏衣、こんなことして襲われたいの?はっきり言ってくれていいんだけど」  正直なところ、こんな大きなものを体に埋められるなんて信じられない。生々しい欲望に触れるのは全然嫌じゃない。むしろ触りたいから手を伸ばした。  けれどこれがセックスに直結する気持ちなのかは、自分でもわからない。皐月に対して気持ちを断定していくのはまだまだ難しい。 「違う。おまえのやらしいとこが見たいだけ」 「ひどい…」  呟きながらも、遠慮がちに腰が振れたのを合図に、抽送の動きに合わせて握り具合に緩急をつけた。皐月の乱れる呼吸音を聞いていると胸が焦がれる。意地悪なのは知っていても擦ったりはせず、全部を皐月に任せる。  捲れあがったスカートの裾から、ちらちらと充血した屹立が覗くのがひどくいやらしい。紛れもなく雄を主張しているのに、そのはしたなさをどこか恥じるように劣情は覆われている。隠しながら隠しきれず、率直な勃ち上がりはプリーツを翻す。  すでに握った手には皐月が先から溢す液体が絡み、くちゅくちゅと音を立てていた。 「やーらし。雄の匂いがする。口でされるのとか、想像したことある?」 「もう!ばかっ…っ…ん!」  スカートが顔にかかるぎりぎりのところに唇をつけたまま喋る。口での施しを思わせるやり方で唇を開け肌を食むと、手の中のものが質量も高度も増したのがわかった。  キスしてる顔が綺麗だったとか、視線が忘れられなかったとか、そんな記憶の中にしかないものが、目の前の抗えない情欲に侵食されていくのが小気味よかった。 「奏衣っ!やっ…はっ…ぁん…」  足を上げたまま、切羽詰まって腰を振る男の動きは煽情的だ。肩に置かれた大きな手にはぎゅっと力が込められ、時々屹立をきつく握ると、腰を折って身悶える。それだけで目の前の男を可愛いなと思ってしまうのは、単に自分が男に惹かれる性的志向だからでは、きっとない。  スカートから突き出された尖端に口をつけ、ちゅうっと吸った瞬間、手の中がどくりと弾み白濁が撒き散らされた。 「あ…あっ!…んっ!」  はぁ、はぁ、はぁと大きく響く息遣いの中で、顔全体に散ったとろりとした液体を手で拭う。 「はや…」 「ごめん!!!…でも…これは奏衣がイケナイと思う…んですけど…うん、間違いなく…奏衣が悪いと、思うよ…」  指の腹で濡れた唇を拭かれたけれど、余計に精液が塗り込められて青臭い微妙な味がした。それを嫌だとは思わなかった。こういうものかと単純な感想が浮かんだ。 「フェラされてよがるとこ見れなくて残念。おまえ、イくの早すぎ」  自分は達していなくても、身体中に充足感を感じていた。なのにさらに畳み掛けるように憎まれ口を叩いてしまうのは、ひどく興奮しているからだ。

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