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第1話

節分に寄せて 朝 今年も節分の朝は 寒い朝になったな、 ぬくもりの足りない布団は 俺には安らかな眠りなんて持ってこないよ。 どうしたらいい? 失ったものは返ってこないのだろうか 子供たちの豆まきの声が響いていた 座敷の畳は黄ばんだまま。 帰らないぬくもりを諦めているようだ。 鬼ですら来ないこの家で、 俺はまた春を迎えるんだろうな まだ遠い桜に心を、重ねて。 逢いたい

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