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逃がさない
運良く宇海を見つけた秀司は、獲物はしっかりと巣に持ち帰って頂く方が安全と言わんばかりに、そのまま宇海を家に連れて帰った。
「悪いけど、この前のやり直しさせて」
「あなたに捕まって無事に帰れるとは思ってませんでしたよ」
「じゃあ話は早いな」
「え、ひゃ!あ、ちょ…っ!」
秀司は宇海を家へ入れるなり、だき抱えて寝室に直行し、綺麗にベットメイキングされたベットに宇海を横たわらせる。
友人を家へ招いたことはあれど、誰も入れたことの無い寝室に、上質な獲物がいることにとても興奮した。
「俺に2週間も禁欲させた罪は重いぞ」
「ほんとに禁欲してたんですね。ん、ちょ…鷹崎さ…」
ジャケットを脱ぎ捨て、ネクタイを強引に解きシャツのボタンを弛めて宇海に覆いかぶさった。
腕の中に閉じ込めて、やっと捕まえたことを実感する。
「探しても探しても会えなかった。見つけたと思ったら他の男に絡まれてて、かなり参った…」
「助けてくれたのが鷹崎さんで嬉しかった。やっと会えましたね?」
おどけた口調で話す可愛らしい一面に、秀司も破顔しながら甘く詰る。
「そっちが逃げてたくせに、なんてこと言うんだ。本当は俺のこと知ってるんだろ?宇海、君は誰だ?」
『君をもっと知りたい』と懇願しながら宇海の唇に吸い付いた。
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