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運は誰の味方?4

「結構ですから、通してください!」 「まあ、そう言わずにさぁ〜」 「誰も待ってねーんだろ?」 遠くで誰かが二人の男に絡まれている。 秀司しかそれを目の当たりにしていないし、こんな人通りの少ないところでは、誰も助けやしないだろう。 危害を加えられる前にどうにかしなくては、と小走りに向かう。 「宇海…っ!?」 最悪なことに、テンプレとも言えるような低俗なヤツらに絡まれていたのは、再会を切望している宇海だった。 (まったく…運がいいのか悪いのか) 質の悪い男に嫌気がさしていたが、絡んで居る相手が宇海だと分かると更に怒りがふつふつと湧いてきた。 「おい、その汚い手を離せ」 「た、鷹崎さ…っ!」 「なんだおめぇ!?」 「私の連れに何か用でもあるのか?」 宇海の手首を掴んでいる男の手を力いっぱいひねり揚げ、もう1人を鬼の形相で睨みつけた。 「いってぇえ!!」 「何しやがんだよ!この…っ!」 キレ気味に殴りかかってきたもう1人の拳を受け止めた。 大振りで見え見えな攻撃だったため、受け止めるのは容易だった。 「暴力で物を言わせるのならそれでもいいが、生憎ともう警察は呼んであるんだ…それでもいいなら付き合うがどうする?」 「ふんっ、すました顔しやがって…っ!」 「ヒーロー気取りかよ!クソ野郎!」 負け犬の遠吠えと言わんばかりの言い草と共に、男たちは足早に逃げ去った。 宇海はその後ろ姿を見てやっと安堵の表情を浮かべた。 「感動の再会とは言い難いな。大丈夫だった?ケガは?」 「な、ないです…ありがとうございました。でも、どうして?」 「たまたま通りかかったんだ。やっぱり俺は運がいい。無事でよかった」 困惑している宇海を上機嫌で抱きしめた。 出会った時と同じ魅惑的ないい香りがする。 宇海の体が強張りから溶け、そろそろと秀司の背に手が回るのがわかった。 嬉しさのあまりだらしない顔になってしまいそうだ。 「これで僕の勝ちかな?宇海」 「…っふふ、僕の負けです…」

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