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後日談-コタツde小ネタ

「……先生……」 郷野がコタツで珍しく転寝していた。 テーブルにうつ伏せて目を瞑り、完全無防備状態、ぽかぽか暖まって半分夢の中のようだ。 凛は郷野の背中にそっとブランケットをかけてやり、斜向かいに座って、振動を起こさないようゆっくりコタツに入った。 頬杖を突いて滅多にお目にかかれない郷野の寝顔を繁々と見つめる。 「……」 見慣れないせいか。 どこか余所余所しく感じられて凛は妙に心細くなってくる。 起こしちゃおうかな。 でも、疲れてるみたいだし、やっぱり悪い。 先生、どんな夢見てるんですか? オレ、そこにいますか? それとも、オレの知らない人がいたりするのかな……? 数分後。 束の間の眠りから目を覚ましてみれば、郷野の目の前には、テーブルにぺちゃんとうつ伏せて転寝する凛が。 「……藤崎」 自分の肩から滑り落ちたブランケットに気づくと、手繰り寄せ、郷野は最愛なる生徒の肩にかけてやった。 凛はすやすや眠っている。 髪を梳いてやりたい気もするが、起こしてしまうかもしれない。 慎重に頬杖を突いた郷野は上気した頬が滑々していそうな凛の寝顔を見つめた。 「……せんせ……」 郷野は珍しくその双眸を見張らせた。 眠ったままの凛は一端唇をきゅっと結び、瞼をぴくぴくさせ、また表情をあどけなく弛ませる。 そうか、やっぱり。 お前、夢の中でも俺と会ってくれているんだな。 ありがとうな、藤崎。

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