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筆攻め☆1
『ねー、みっきー?』
『なあなあ、みー?』
『・・・・・・ん?なに?』
『みっきーはさ~、絵の筆と~』
『習字の筆、どっちが好きだ?』
『・・・・・・・・・はい?』
いきなり、なに??
『だから~、絵の筆と~』
『習字の筆、どっちだ?』
『・・・・・・え?ふ、筆・・・??』
『『どっち??』』
『・・・・・・え?え・・・え、えっと・・・』
筆?
なんで、筆??
夏休みの宿題かなんか???
いや、夏に習字は・・・・・・・・・あれ?
いや、あったっけ?
いや、つーかまだ夏休みじゃないし
・・・なんだ?
なんだ?一体???
『みっきー?』
『みぃー??』
『え・・・、えっと・・えっと・・・』
絵はそんな上手い方じゃないけど好きだし、
習字はめんどくさいけど嫌いじゃないし・・・
『どっちの筆が好き?』
『どっちの筆がいい?』
『・・・・・・・・・・??』
やたらと「筆」を強調する2人。
筆・・・・・・
だから・・・なんで筆??
意味、分かんない・・・!
『さあ、みっきー?』
『選べ、みぃー!!』
『・・・・・・・・・え・・・』
いや、筆を選べと言われても・・・
正直どっちでもいいんだけど。
でも、迫ってくる2人の目は真剣で
・・・ちょっと怖い。
『じゃあ・・・え、絵の筆・・・』
とりあえず答えてみた。
───と、2人の目がキラーン☆と輝く。
『へぇ♪ 絵の筆ね~♪』
『さすが、俺の みー♪』
『・・・・・?・・・・・・・はい??』
・・・なに?
なんなの??
『ちょっと待っててね♪』
『いい子で待ってろよ♪』
嬉しそうに部屋の中の小部屋に消えていった2人を
見送りつつ
『・・・・・???』
さっぱり意味が分からず
首を傾げる俺なのだった。
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