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2人の秘密⑥
『え?え?ちょっと待って・・・?恋人同士?
え?ど、どういう事・・・・・?』
『うん。だからね?
倒産するかもって ものすごく大変な時に うちの母さん、出ていっちゃってさぁ。
落ち込んでる父さんを・・・・・・・ね?』
と、玲音が くすくす笑ってから先を促すように咲哉を見る。
『ああ。俺の親父が慰めてるうちに好きになっちゃった!んだとさ。』
咲哉も 面白そうに笑う。
え。なにそれ。
そんな簡単な話なの?
そんな笑って話せる事なの?
『今も ラブラブなんだよ~。
羨ましいくらい!』
『仕事も共同経営にしたしな。
1日中 べったり一緒。』
『・・・・・へ・・・・へぇ・・・・・』
えーと。
それはよかった・・・。
でも、そんな事より・・・さらっと言ったけどさ ・・・お母さん・・・・出てったって言わなかった??
そこは いいの?大丈夫なの?
聞いてもいいものか悩んでいると、玲音がはかったようにその話題に触れる。
『因みに 母さんは 咲哉のお母さんのところにいるんだよ~。』
『ああ。アメリカになー?』
『ア、アメリカっ ・・・!?』
アメリカって・・・アメリカ村じゃないよな?
『俺の母親は 元々 そっちの人なんだ。』
『咲哉って、ハーフなんだよ~。』
『え?え、・・・えぇ───っ !?』
ハーフ !?
咲哉が !?
『まあ、後で出てった訳を母さんに聞いたら、父さんたちを くっつける為だったらしいんだけど~。』
『どう見ても 好きあってるのに どっちも気づかないから、もどかしかったらしくて。いわゆる荒療治ってヤツ?』
『は・・・・はぁ・・・。』
ちょ・・・ちょっと待って・・・・!
情報が・・・情報が多すぎて
頭が追いつかない・・・ !!
キャパオーバーだよ・・・・・!!
『ここまでは大丈夫?みっきー。』
『大丈夫か?みー。』
『・・・う、うん・・・・まぁ、なんとか・・・・』
よく分からんけど・・・・
もう深く考えないようにしよう・・・。
『まぁ、色々あったんだけど、今は みんな
好きな事やって 幸せだよ~。』
『だな。』
『は・・・・はぁ・・・そうなんだ・・・』
『うん。』
『ああ。』
2人が笑う。
ウソついてるようには見えない。
うん。
深く考えない。
みんな、幸せなら。
それが1番だもんな。
あー、でも・・・・
なんか、すんごい疲れた。
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