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敵わない。
『どうしたの?みっきー。』
『忘れ物か?』
突然 叫んだ俺に、2人は立ち止まる。
『そ!そそそそそうじゃなくて・・・っ!
チョコバナナ!』
『チョコバナナ?』
『クレープだろ?』
首を傾げて、俺を見る2人。
『ち、違・・・・っっ!
チョコバナナ・・・!文化祭ぃ・・・・!』
ダ、ダメだ・・・焦りすぎてうまく言葉が・・・!
アワアワしていると、
『文化祭か~ ♪ チョコバナナを売る みっきー・・・・可愛いだろうなぁ ♪ 』
『だな ♪ 絶対、可愛いな ♪ 』
2人が 顔を見合わせて 楽しそうに笑う。
『チョコバナナ、提案してよかったね ♪ 』
『ああ。決まってよかったな ♪ 』
『え?え?じゃ、じゃあ・・・・やっぱり・・・ !?』
わざと?
わざとのチョコバナナ?
『うん。だって、みっきーといえばチョコバナナでしょ?』
『そうそう。みーといえばチョコバナナだろう ♪ 』
まったく悪びれた様子もなく、へろっと答える2人。
『は、はぁ !?・・・なんで そんな事するんだよ・・・!!』
『だって、恥じらいなからチョコバナナ持ってる みっきーを見たいんだもん。』
『そうそう。見たいんだもん。』
『 な・・・・っ !! “ だもん ” とか言うなっ!』
なんちゅー 理由だよ・・・・・!!
アホなのか !?
アホなんだな !?このヤロウ!
拳を握りしめ、怒りに震えていると・・・
『まあまあ。もう決まっちゃった事だし。』
『みんな喜んでる事だし。』
『『楽しもうね (な)、文化祭 ♪ 』』
ルンルンでスキップして 去っていく2人。
『・・・・・・っっ・・・!』
なにかを言いたい。
叫びたい。
だけど、何を言っても敵う気がしない。
く・・・・・・っ!
ま、負けた・・・・・・・・・・・・。
敵わない・・・・コイツらには敵わない・・・。
さっきの命の恩人の如く、地団駄を踏む俺なのだった。
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