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文化祭☆3
『いたーっ!みっきー!』
『おおっ!みーぃ ──!』
『あ・・・・・・』
声の次に、2人の姿もしっかり確認できた。
俺 目掛けて 顔を輝かせながら近づいてくる その姿は・・・・まるで 尻尾を振った大型犬のよう。
『みぃっきーぃぃぃ !!』
『みぃーぃぃぃーっ !!』
『え・・・え?・・・・・わわ・・っ!』
まさかの2人の登場に ビックリしすぎて固まって動けない俺に、走ってきた勢いそのまま 2人が ドーン!と 飛び付いてきた。
『──うっっ!・・・っ、のわわっっ!』
当然、非力な俺では2人を受け止める事なんて出来るはずもなく、後ろに何歩か よろけた後・・・見事に ひっくり返ってしまった。
『いたたた・・・・・。』
3人、折り重なって倒れる。
だけど、派手に転んだわりに 痛みはそれほどなくって・・・・。
頭の下にある 手の柔らかさを感じ、2人がうまい具合に庇ってくれたからなんだ、と知る。
うーん。
やっぱ、何気にスゴいよな・・・
コイツら。
俺の胸に 顔を埋めて「みっきー(みー)の匂い・・・ ♪ 」と、すーはー息を吸い込んでいた2人は かなり 変態ぽかったけど。
『みっきー、寂しかったぁ・・・』
チュッ。
『みー、寂しかった・・・・・』
チュッ。
2人が代わる代わるキスをして、俺を見下ろす。愛しさ全開の優しい眼差しで。
『みっきー、大好き ♪ 』
『みー、大好きだ ♪ 』
『・・・・・・っ/////』
キュ────────────ン
うっ・・・・・・/////
な、なんだ・・・これ・・・・・/////
久しぶりの触れあいと 甘い雰囲気に体が熱くなって、胸がドキドキと激しく高鳴りだす。
玲音も咲哉も「寂しい」って思っててくれてたんだ。
俺とおんなじだったんだ。
『れ、玲音・・・・咲哉・・・・』
「俺も・・・・」と、2人を無性に 抱きしめたくて腕を伸ばすと、抱きしめるより早く2人に手を掴まれて 抱き起こされてしまった。
『よし!充電完了!行くよ!みっきー ♪ 』
『俺もだ!行くぞ!みー ♪ ついてこい!』
─── と、もう1度 軽くキスをすると 2人は繋いだ手を、ぐいぐい引っ張って歩きだす。
『へ・・・・・?』
行く?
ついてこい?
ど、どこに・・・・・?
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