299 / 700

文化祭☆24

『お待たせ~、行こ?』 次の担当の人と引き継ぎをして、いざ 教室を出ようとしたのだけど・・・ 『ちょっと待ったー!』 『待ってくれ、みー!』 2人に呼び止められる。 『え?・・・なに?』 『チョコバナナ 買うから ♪ 』 『そうそう。チョコバナナ♪ 』 『え?ああ・・・そっか、ありがと。』 いそいそと、チョコバナナがズラーッと並べられている所に行く2人。 そして、丸ごと1本のチョコバナナ 1本1本を 舐めるように見ては、真剣な顔で 選び始めた。 『あー・・・ちょっと違うかな?』 『これも・・・うーん、違うな。』 『・・・・・・・・?』 真面目な顔して・・・。 何に こだわってんだろ・・・? 『あ、見っけた!これ!これにする!』 『俺は・・・・お!あったっ!これだっ!』 どうやら、理想?のチョコバナナが見つかったらしい。ハイタッチをする玲音と咲哉を横目に、俺はハーフサイズを手に取った。 『200円、200円、100円でーす。』 『『はーい。』』 『はい・・・・』 それぞれ お金を払って廊下に出ても 2人は 食べる事なく、今度は ニコニコと笑いながらチョコバナナを見つめている。 『うふふふ ♪ 』 『ふははは ♪ 』 『・・・・・・・・・?』 ・・・・・・・なんだ? なんで こんな楽しそうに、笑ってんだ? なんか、ちょっと気持ち悪いんだけど。 『なんなんだよ。なんか、あんの?』 どうにも気になって、聞いてみる。 『ん~?これ?分かんない?』 『みー、これ 見覚えないか?』 『・・・・・見覚え?』 この、チョコバナナに? 玲音と咲哉の持つチョコバナナを、2人がしていたように じっくりと眺めて見る。 ・・・・・うーん。 俺には、普通のバナナにチョコが かかってるだけ・・・にしか見えないけど・・・。 なにか あるんだろうか・・・。

ともだちにシェアしよう!