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バレンタイン☆7
『おかえりなさーい』
『はーい、ただいま~!』
仕事終わりなのに元気な母さん。
ダイニングテーブルに並んだ チョコを見つけて 歓声を上げる。
『あら!あらあら~!
まー、美味しそうなチョコ!
え?手作り・・・・・?え?もしかして・・・
光希が作ったの~?』
『・・・・うん。』
『まー、すごい!食べていい?』
俺の返事より前 にポイッと口に入れ
頬張る。
『あら、美味しい~ ♪
珍しいわね、光希がお菓子作るなんて・・・
なにかあったの?』
う・・・・・・/////
だよな・・・・聞かれちゃうよな・・・////
『う、うん・・・・・・あの・・・・・・////
バ、バレン・・・タイン・・・・の・・・チョコ・・・
・・・・なんだ・・・/////』
『・・・・・へえぇ?玲音くんと咲哉くんに?』
『・・・・・///////////っっ、う・・・・・うん・・・////』
俺たちのコト、バレてるとはいえ・・・
は、恥ずかしい・・・・////
『うんうん。いーんじゃない?
これ、美味しいし ♪ 』
そう言って、母さんはもう1つ 頬張る。
『でも、なんか簡単すぎて・・さぁ。
もうちょっと凝ったの作ろうかなーと
思ってるん・・・だけど・・・・』
買ってきたレシピ本を パラパラめくってみる。
『へえぇ。初心者向きなのは
ブラウニーとかパウンドケーキとか・・・
かしらねぇ・・・・』
『・・・・・・・うーん』
混ぜて焼くだけ・・・のヤツ、だなぁ。
なにか・・・・
他に なにかないのか・・・!
デコレーションケーキ
チョコタルト
シュークリーム
マカロン
どれも 美味しそうだし凝ってる!
・・・・・・けど
ガナッシュ・・・なにそれ?
カスタードクリーム・・・難しそう・・!
シュー生地・・・膨らむか心配っ!
マカロン・・・ 行程が多すぎる・・・!
『あああぁぁ・・・・・・・|||』
頭を抱え、悩む俺を見て母さんはクスクス笑うと・・・さらに、もう1つ チョコを 口に放りこんだ。
『・・最初から あんまり頑張り過ぎなくてもいいんじゃない?』
『・・・・・・え?』
『だって、これから毎年、贈るんでしょ?』
『・・・・・・・・/////う、うん///』
『あんた、来年 もっと悩むわよ?今年よりもっといいモノ作らなきゃ!って。』
『え・・・・・・・?』
『とりあえず 今年は 初めてなんだし、
難しいモノを作るより、トッピングとかラッピングにこだわったら?』
『・・・・・・・・・・・・・・・!
・・・・・・・・・・・・・うん、そうする・・・』
すごい、母さん!
すごく的確なアドバイス!
すごく ぐっときた!
『ふふ~。出来たら また 味見させてね ♪ 』
『うん!』
よーし、
簡単でも、心を込めて。
トッピングとラッピングにこだわって。
2人のために・・・!
『よし!これにしよう・・・!』
佐野山 光希!
初めての、
ブラウニー、作りまーすっ!
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