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進級☆2
くじ引きで 窓際の1番後ろの特等席を
ゲットした俺。
帰りのHRが終わって、「野暮用がある」という玲音と咲哉を待ちながら、ぼんやり外の桜を眺めていると・・・
『さ~のや~まくん ♪ 』
と、男子生徒3人に声をかけられた。
『・・・・・・・・・・え、・・・俺?』
ほんわかした雰囲気のクラスメイトの中、
この3人だけ なんだか妙に悪目立ちしてて
なんというか・・・・こう言っちゃ悪いけど・・
俺の苦手なタイプ・・かもしれない、
なんて思っていた。
『そう!佐野山くん~』
『キミだよ、キミ~』
『ちょっと聞きたいことあって~』
3人が ぐるりと俺を囲むように立つ。
うわ・・・なんか イヤな感じ・・・
『・・・な、なに・・・?』
『なあ、お前ってさぁ』
『男とつきあってんだよな?』
『エ、エッチしてんの?なあ?』
『──────////っ!』
『うわ!えげつなっっ!』
『あはは!でも気になるよな!』
『なあ、2人相手にどうやってんの?』
『─────////っっ!!』
うわぁ・・・イヤな予感的中・・・!
ど、どうしよう・・・!
こんな風に絡まれるの初めてだから
どうしたらいいか分かんない・・・・っ!
『お前ら なにやってんだ!』
異変を察したのか 誰かが こっちに向かってくる。
『やめろよっ!!』
『チッ、うっせーな!』
『ジャマすんな!』
『あっち行けよ!』
助けに来てくれた誰かは、3人それぞれに
蹴られ、突き飛ばされて 机を撥ね飛ばしながら転んだのが見えて、慌てて 止める。
『あの・・っ、俺は大丈夫!話するだけだから・・!』
『だってさ~』
『ジャマすんな!』
『あっち行け!』
3人がまた俺に迫ってきて びっちり囲まれてしまう。
『ごめん・・・・佐野山・・・っ!』
ガタガタと音がして、誰かが 教室を出ていく気配。
あれ・・・?
あの声・・・救世主くん・・・??
後ろ姿を 目で追ったけど、目の前の体がジャマで確認することは出来なかった。
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