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みっきーの誕生日☆52

『あ~、面白かった~』 『なかなか良かったな♪』 『そうね~♪』 映画は最高に面白かった。 始まるまでは、性懲りもなく 玲音と咲哉がここにいたら・・なんて、考えたり (ちょっとだけ)探したりしちゃったんだけど・・・ 途中からは全然、まったく、これっぽっちも 思い出さないくらい楽しんだ。 『ふっふっふ』 ───よし、この調子♪ 薄情もののコトなんて・・・忘れてやるっ! と、映画館では飲み物や食べ物は買わなかったから 小腹が空いてフードコートに来た。 『光希、席 とっといてくれ』 『なにか適当に買ってくるわね』 『うん』 『えーと・・・あ、あった!』 人で溢れている中、なんとか空いてる席を見つけた。 あ。 ここ・・・この席って・・・確か・・・ 玲音と咲哉と座った席だ・・・ 座ってから気づく。 そして、スマホを見ようとして・・・やめた。 やめやめ! 忘れるって決めただろ、俺! アイツらのコトなんて・・・ 忘れて、楽しむ! 『光希~!』 『いたいた』  『父さん、母さん、おかえり~』   『ただいま。クレープ買ってきたぞ♪』 『光希の好きなチョコバナナよー♪』 『───えっっ?!』 ・・・・チョ、チョコ・・・・バナナ・・・・・・! よりによってチョコバナナ・・・!! (いや、ただ単に俺が好きだから 買ってくれたんだろうけどもっっ!!) いきなり思い出しちゃったし なんか居たたまれなーいっっ////!! 『光希、どうした?』 『やだ、食べないの?』 『───はっ!・・・っ、た、食べるよっ!食べる!』 『そうだ。飲み物も買ってきたぞー♪』 『こっちも光希の好きなシェイクよー♪』 『───ほぇ!?』 シェ、シェイク・・・ 今度は・・・シェイク・・・ッ・・・! なんで、シェイクッ・・・!! (いや、こっちも俺が好きだから 買ってくれたんだろうけどもっっ!!) なぜだ・・・! なぜ、忘れさせてくれないんだ・・・っ! ていうか・・・ ていうか・・・ 連絡をよこせーっっ!!!

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