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みっきーの誕生日☆54

☆ 買い物も済ませて、家に帰ってきて 時刻は夕方近くになっても、 相変わらず、2人からの連絡なかった。 『ちらし寿司と、唐揚げと、茶碗蒸しね~』 『おお♪いいな』 『あとはお楽しみ~、ね♪』 『あれ?そういえば・・・母さん、ケーキは?』 『ああ!ケーキは もうすぐ届くわよ。 楽しみにしててね、光希』 『う、うん・・・!楽しみ~!』 ああ・・・ ちらし寿司も唐揚げも茶碗蒸しも大好きで ケーキも すっごい楽しみで。 父さんもいて、最高の誕生日。 ・・・だけど・・・だけど・・さぁ・・・  玲音と咲哉がいたら もっと・・・ きっと楽しいのに・・・ とか、まだ女々しくも考えてしまう なんかなー 腹立つのも通りすぎてきた・・・   寂しい・・・ めっちゃ寂しいぃぃ・・・ なんで連絡くれないのぉぉ・・・ ───がっくり 『なんだ?光希、お腹空いたのか?』 『あら、大変!じゃあ すぐに作るわね~♪ 光希、ケーキが来たら受け取ってね!』 『じゃあ、俺は風呂でも入れてくるか♪』 母さんは、いそいそとキッチンへ向かい、 父さんはお風呂掃除に行って ひとり取り残された俺。 『・・・・・・・・・』 ケーキが配達されてくるのを待つ間に “明日は会える?”って 電話をかけようか、メールをしようか スマホを手に悩んでいると・・・ 玄関のチャイムが鳴った。 『・・・あ、ケーキ・・・かな?』 立ち上がると同時に、立て続けにチャイムが鳴り そして・・・ 『こんばんは~っ!』 『ケーキ屋でーす!』 バーンッと派手にドアの開く音がして やたらと元気な声が聞こえてきた。 『こんばんは~!』 『佐野山さ~ん!』 『は、はーい!』 おいおい。 勝手に玄関 開けるか?普通・・・ 『佐っ野山さ~ん!』 『ケーキ屋でーす!』 『はいはいっ!すぐ行きまーす!』 随分 せっかちなケーキ屋さんだな なんて思いつつ、急いで玄関に向かう。 『お待たせしま・・・・・・・・、』 ────は? 玄関には、ケーキ屋さんらしからぬ 白いスーツに身を包んだ男の人が2人、 大きな箱を抱えて立っていた。 え。 この人たち・・・ケーキ屋さん? へー。 最近のケーキ屋さんって 随分 オシャレなんだなぁ・・・ 『はい、ケーキです♪・・・・みっきー♡』 『誕生日おめでとうー♪・・・・・・みー♡』 『あ。ありがとうございます・・・・・・? ─────────ん?』 今・・・・・・みっきー、みーって・・・・・・? ・・・・・・・・・え!? 『1日ぶりだね♡みっきー♡』 『昨日ぶりだな!♡みーぃ♡』 『─────っっ!!?!』 ここで初めてケーキ屋さんの顔をちゃんと見た俺は・・・あまりの衝撃に 口をあんぐり開けたまま ビシッと固まった。 『・・・・・・・・なっ・・・なっ・・・っ・・・・』 『会いたかったよ♡みっきー♡』 『会いたかったぞー♡みーぃ♡』 この、腹立つくらいのキラッキラの笑顔、 見慣れた顔、聞きなれた声・・・ ケーキ屋さんの正体は・・・・っ!! れ、玲音と咲哉ーっ!!!

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