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第10話

ご飯も終えて、帰り道。 将斗に手を繋がれたまま、歩く。 「健人さん、いつでも連絡していいですか?」 「ええよ」 「小さな事でも?」 「うん。いつでも、何でも」 引っ張られるのが嫌じゃない。 「その代わり、俺も連絡させて。困った時とか、どうしようって悩んだら教えて。多分、将斗は俺より俺のこと知ってるやろ?」 「ふふっ···そんな事ないです。健人さんは答えがわかってるのに出せないんです。もうとっくに心の中で決めてる答えがある。···そうでしょ?」 そう言われてついつい笑ってもうた。 そうやな。今回の件に関してもそうかもしらん。 「俺、次の話、違うのにする」 「···楽しみです。待ってます」 例えば、前作の続編とかどうやろう。 男は結局、自分のことを自分よりも理解してる人に出会う。 そこから先の物語は、まだまだ、俺にもわからないけれど。 賢い人を知る為に END

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