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序章
今日、大好きな人に突然振られた。一世一代の告白をし、めでたくOKをもらって、初めてのキスを優しくしてくれた先輩――
だけど残念ながら僕の恋は、ここで終わってしまったんだ。
久しぶりに顔を突き合わせた先輩から放たれる、僕を見る視線が、明らかに迷惑だっていう色を滲ませていて。その態度に困惑した途端、告げられた別れの言葉。
店に入ろうとした瞬間に、目の前でシャッターを下ろされた気分同様に、どうしていいか分からなくなる。
ショックで涙を流しながら踵を返し、先輩の前から消えるしかできなかった。
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