「おはよう、弘人」 自分の名前を呼んでもらってうれしいと思うのは この人が初めてだ 「んあー」 僕は大学生になった 親とは縁を切ったつもりでいる 「今日２限からだろ」 「いいよ、休む」 「起きろ」 相変わらず怒るところが変わらない そういう時はこうする 「優さん」 ほら、顔が変わる これだから好きでいるのをやめない 「、、、少しだけな」 あんなにたどり着きたかった唇は 今ならすぐに届く 僕のものだから そして僕も 先生のものだから