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年下の問題児
「あ、あれ…?また居ない…」
上司から膨大な量の資料作りを命じられ、やっとこさコピーを終わらせた僕は、自分の机の隣が空席になっていることに気付いた。
「はぁ………探しにいかなきゃ…」
これで、本日何度目だろうか。
(なんで僕がこんな目に…)
心の中で不満を漏らし、憂鬱な気分で廊下に出る。見慣れた筈の廊下は、いつもよりだいぶ長く感じた。
僕の名前は平井浩太(ひらいこうた)。
この会社には5年ほど勤めている平社員だ。
だからといって仕事が出来るわけじゃないんだけど…。
どちらかというと仕事は遅い方。
それに、僕は頼まれるとNOと言うのが苦手で……そのせいか人がやりたがらない仕事がよく回ってくる。
それは別に良かったんだけど。
家に帰ってもすることないし、でも………。
(この仕事だけは、あんまりやりたくなかったなぁ…)
僕は再びため息を漏らすと、喫煙室へと足を向けた。
多分、彼はそこに居る。
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