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違うそうじゃない!
「何だよ」
「へっ?」
「気になるんだよさっきから!言いたいことあるんなら言えよ」
どうやら横目でチラチラ見ていたのがバレていたらしい。
「あ、えっと…」
「ん」
どうしよう、どうやって誤魔化そう…。
と、悩んでいると望月くんは身体ごとこちらに向きなおし僕の言葉の続きをじっと待っていた。
「……」
流石にそこまでしてもらって誤魔化すのは申し訳ない。
というか早く言わなければカップ麺が伸びてしまう!
「…そ、それ!」
焦った僕は机の上のカップラーメンを指差した。
「ああ、なんだこれか」
僕の指先を目で追った望月くんは妙に納得をした声を出し、容器を掴む。
そしてーー
「ほらよ。欲しいんならさっさとそう言えよ。新発売らしいな、これ」
そう言ってカップ麺をズイッとこちらに差し出してきた。
「……」
ち、違うーー!!
そうじゃない!僕が言いたいのはそんなことじゃないっ!
確かに見たことないパッケージだなーとは思ってたけど!
っていうか欲しかったからチラチラ見てると思ったの!?望月くんの中の僕のイメージどうなってんのさ!?!?
予想外の彼の行動に、僕は固まったまま盛大に心の中でツッコミを入れていた。
「…どうした?」
一方の望月くんはそんな僕を見てきょとんと首を傾げている。
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