21 / 60
不安定な身体2※
「ひぁっ!?」
「雪のように白いお前の肌には赤がよく映えるな」
鎖骨の当たりがじんじんと熱を持っている。
きっと噛まれたせいで出血しているのだろう。
噛まれたところを舐められると、ヒリヒリして背筋がゾクゾクして無意識に腰がわなないてしまう。
荒々しく野性を感じ、今まで温厚だったアマテラスとの口調や態度の差に困惑する。
「んっ、ふぁ…っ」
「痛いくらいが丁度よさそうだな」
寝衣を左右に割り開かれ、貧相な胸や薄い肉付きの脇腹が顕になる。
アマテラスはツンと立った胸の尖りに狙いを付け、唇を寄せた。
「幸…これならどうだ?」
「いやぁっ!んぁあ…っ」
片方は舌で嬲られ、もう片方はキツく摘まれる。
鋭い快感と甘い快感がせめぎ合って、幸の体の中を競い合うように駆け巡った。
「気持ちいいのだろう?素直にいいと言え。そうすれば、もっと溺れさせてやる」
「きもち、いい……ですっ」
「聞こえないな?」
勇気を振り絞って言った言葉を、アマテラスは受け入れてくれない。
(溺れさせてやるって言ったのに…)
「あ……」
心の言葉を聞いて初めて自覚した。
自ら、アマテラスに流されることを望んでいるのだと。
「ほら、どうした。俺に聞こえるように言ってみろ」
「き、きもちい……っ、もっと…シて」
「ははっ、上出来だな」
「あぁっ!?だめ…っ、んぁあっ!!」
どこをどう触られたのかまるで分からない。
ただ強すぎる快感を許容範囲を超えて蓄積された。
「下ももうぐちゃぐちゃなんじゃないのか?」
そろそろと幸の白い内ももを伝ってアマテラスの手が下りてくる。
背筋に何かが駆け抜けるゾワゾワした感覚と微かな快感、そして小さな期待。
3つが静かに、そして確実に幸を飲み込んでいく。
「ここも美味そうな色をしているな?白くて柔らかくて…どれ、ひとくち」
「さ、触らないでくだっ、ふぁ…っ!?」
アマテラスが、べろりと内腿の皮膚の薄い部分をひと舐めし、足の付け根のところにぢゅっと吸い付く。
そのまま下着を剥ぎ取られ、幸はとうとうはだけた寝衣だけになってしまった。
「いやぁ…っ」
「ははっ、いい眺めだ。これ程の高揚は初めてだ」
髪の毛をかきあげながらそう告げると、アマテラスも寝衣の袖から腕を抜いた。
肌を重ねられ、ドクドクと異なるリズムの鼓動を感じ、幸は神の存在を肌で感じることとなった。
生きているのか、死んでいるのか、そもそもどちらでもないのか、とても曖昧で確かな存在である神をちゃんと感じる。
人々からは見えない存在だけれど、じんわりとアマテラスの体温が確かに幸に移っていく。
(神様は温かいんだ…。心地いい温もり――)
気がつけば、その心地よさに負けてアマテラスの背中に腕を回していた。
(頑張って斎王の務めを果たさなくちゃ…)
ともだちにシェアしよう!