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第5話

 かなり気持ち良かった。  覆いかぶさっていた黒斗の身体がどき、横に並ぶように仰向けに寝そべる。  今は互いに天井を見つめるカタチだ。 「オッサンの尻を掘らすような事になっちゃって、その、すまなかった」  役の為にとはいえ、ここまでさせてしまうなんて黒斗に甘え過ぎた。 「いえ、俺はすごく気持ち良かったんで。それよりも何度もお付き合いさせてしまって、逆に申し訳ありません」  体は辛くないですかと、労わるように撫でられて。優しいなと思いながら大丈夫だとこたえる。 「そうですか」  ホッと息を吐く黒斗は、心から彼の事を心配しているという気持ちが伝わってきて、もう少しだけ彼の優しさに甘えていたくなった。 「なぁ、腕枕をして欲しいのだが、良いかな?」 「はい、もちろんです」  腕を伸ばしてここにどうぞと叩く。 「ありがとう」  遠慮なく腕に頭をのせると、黒斗が鷲の方へと顔を向けきて、互いの顔が近づく。 「なんか、この距離は照れるな」  いい男が隣で微笑んでいるんだものと、指で黒斗の頬を撫でれば、 「またまた。俺は貴方が色っぽすぎて照れます」  黒斗にその手を掴まれて、そのまま口元へと持っていった。  唇の柔らかい感触に、鷲は参ったなと眉尻を下げる。  あんなに欲をはき出したというのに、また熱がたまりはじめて舐られたり挿入された箇所がジンジンと痺れだす。  そんな鷲を煽るかのように、黒斗がくちゅくちゅと音をたてて指に舌を這わせている。 「ん……、こら、黒斗」  ダメだよと指を抜こうとするが、黒斗の指に絡めてとられて離れない。 「ねぇ、今度は鷲さんが欲しい」  はぁ、と息を吐いて切なげな表情をする黒斗に鷲の喉がごくりと音を立てる。 「こんな、おっさんじゃなくて……」 「鷲さんが良いんです」  それ以上は言わせないとばかりに、鷲の言葉に言葉を重ねた。たまらず身を起こして黒斗の身体に覆いかぶさった。

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