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まさかの人物。
ある日俺は、ひこうき君らしき人物を見つけた。
確信はないが、恐らくそうだろう。
それはクラスメイトにくじ引きで無理矢理 押し付けられ、仕方なしになった文化祭実行委員の委員会でのこと。
初回は生徒会との合同会議だった。
集合場所の教室に入ろうとして、ふと黒板に書かれた字を見てハッとした。
紙ひこうきの…!!!
綺麗だが少しだけ癖のある字。
これは一体誰の字なのか。今まさに書いている人物を見て、俺は更に驚いた。
えっ!?!?生徒会長!?!?!?
それは去年の選挙で断トツに支持を得て当選した生徒会長だった。
まさかあんなに人気な人が、あんなによく分からない内容の書かれた紙ひこうきを作って飛ばしていると言うのか…。
あんまりにも驚いてしまい入り口で固まっていると、振り返った会長と目が合った。
ニコリと爽やかに微笑まれる。
イケメンめ……
「入らないの?」
「あ、いえ…えっと…失礼します。」
俺は慌てて頭を下げて中に入った。
クラス順になっている席に着きながら考える。
待てよ、まだひこうき君が彼と決まったわけではない。字が似ているだけと言う可能性もある。
うんうん、きっとそうだ。だって生徒会長が校長ヅラとか書くわけないもん。
でも似てる…やっぱり似てる……
…と言うか何故 生徒会長が黒板に書かされてるんだろう……
俺は結局、その時間は悶々としてしまって全然 委員会に集中できなかった。
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