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気付いてる…?

どうしてだろう…それからと言うもの。 俺とひこうき君、もとい生徒会長は何かと話す機会が増えた。 俺が実行委員だから当然と言えば当然なのだが、それでも他の人よりも頻度が多い気がする。 何故か委員長から会長に言伝てを頼まれたり、逆に会長から委員長に、また直接仕事を頼まれたり。 そうこうしているうちに、とうとう俺は会長とそれなりの仲になっていた。 何度か紙ひこうきのことを聞こうかとも思ったが、そういうときに限って他に人がいたりするため完全にタイミングを逃してしまった。 最近では廊下で会うと立ち話をする程になり、実を言うと今もその状況だったりする。 俺たちは二人で粗方すんだ準備の最後の後片付けをしていた。 箱に入った道具を抱え並んで廊下を歩く。 下校時間を過ぎ西陽に照らされた校舎には他に誰も居なかった。 「いよいよ明日だね~」 「そうっすね…。最初は委員会とか面倒で嫌だったんですけど、なんだかんだ少し楽しかったです。」 「えーそれ言っちゃう?やる気ないな~。仮にも俺生徒会長だよ?」 「い、今は思ってないですよ…?」 「ふふっ、分かってるよ。そんなこと言ってても仕事は真面目にやるし、俺たちの分まで手伝ってくれるもんねー。」 そう言って会長はニコニコと笑っている。なんだか今日の会長は機嫌が良いみたいだ。 明日は文化祭。やはり会長も楽しみなのだろうか。 「や、俺 暇だったんで…、部活やってないですし。どうせやらなきゃいけないなら手の空いてる人がやった方がいいじゃないっすか。」 「君そういうとこホント格好いいよね…いつも助かってるよ。ありがとう。」 「……ッス。」 こう、改めて褒められたりお礼を言われると少し気恥ずかしい。顔が少し熱くなる。 「あれ、耳赤いよ?…もしかして照れてる?」 「……違います、夕日です…。」 「うっそだ~!!」 「夕日ですッ!!!」 あはは と会長の笑い声が廊下に響く。 やっぱり今日 会長テンション高いな…そのうちスキップでも始めそうだ。 「もう…いいッスから早く片付けましょう…」 「ごめんごめん。怒った…?」 会長が横から顔を覗き込んでくる。 ドクンッ… 綺麗な顔が近くに来て心臓が鳴った。 「……怒ってないです。」 「本当?」 「本当です。…会長まだ仕事残ってるんでしょう?さっさと片付けて終わらしましょうよ。」 「うん。……明日、頑張ろうね。」 「はい。……会長は無理しないで下さいね。」 「ふふっ…心配してくれるの?ありがとう。」 ふっと会話が途切れ二人の間に沈黙が流れる。 ……今なら聞けるだろうか。 「……、あのッ、会長!!「あ、着いた。」えっ…、」 あれ、ごめん何か言った?用具倉庫と書かれた扉に手を掛けた会長がそう言って振り返る。 「いえ…、別に…」 「そ?じゃあ荷物そこ置いてっていいよ。」 「え、でも…」 「いいのいいの、今日はもう帰りなよ。明日は忙しくなるよ~?」 「えっ…と……、じゃあ…?」 「うん、最後まで残ってくれてありがとね。」 「…いえ、そんな。…あの、また明日……」 「ばいばい、気を付けて帰ってね。」 笑顔で手を振る会長に俺は最後に頭を下げてその場を後にした。 ……あれ…、はぐらかされた……?

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