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第10話
孔の奥を弄りながら、もう一方の手で内腿をなでてくる。歯を丸みのある肌に立ててくる。いちどにたくさん刺激されて、陽向は足を震わせて耐えるしかなかった。
「も、ダメ、も、ダメです」
「何が?」
「うう、だから」
「だから?」
「……さわって、ほし」
「どこを」
「も、もうっ、自分でさわっていいですかっ」
「ダメだ」
情けない喘ぎがもれた。
「もう、達っちゃうぅ」
その瞬間、ギュッと、竿の部分を握られた。布の上から急激に扱かれる。
「あ、あ、ああっ――ああ、っ、やあっ――っ……」
腰をわななかせて、陽向はビキニをはいたまま射精した。
「は、は、はああ、ぁ」
上城は数本の指で奥を暴きつつ、達ったばかりの性器もやわく刺激する。新品の下着は、陽向の放ったもので濡れてしまった。
「もだめ、だめですっ」
へなりと上半身をシーツに落とすと、指が抜かれる。首だけ回して後ろを振り返ると、上城がスウェットをおろして硬くなった自身を取りだしていた。いつ見ても隆々とした、立派な形の代物だ。付き合いはじめて数か月。最初は大きくて戸惑ったけれど、今では目にするだけで期待に胸がドキドキしてしまう。
上城がコンドームを興奮した屹立に取りつける。膝立ちで自分の性器を握る姿は卑猥で頭に血がのぼった。腰を両手で掴まれて、上城の方に引きよせられる。ずるりと胴体が下に移動した。
「――あ」
ぐい、と先端が中に喰いこんでくる。
「ぁ、あ、あ」
浅く呼吸すると、喘ぎが喉奥からこぼれでた。ビリビリとした強い快感が、粘膜を犯してくる。少しずつ進んでくる熱塊に、陽向はこらえきれずシーツを強くつかんだ。
「ん、……っ」
「――っ、きつ……っ」
上城も後ろで息をつめる。
「陽向、つらいか」
上城が、身体を少し前に倒し気味にしてたずねてきた。
「だ、だい、じょう、ぶ」
つらいけど、痛い訳じゃないから、と言いたす。
感じすぎて、どうしていいか分からなくなっているだけだった。
「し、して」
掠れはじめた声で、続きを促す。身体から力を抜けば、それが相手にも伝わったのか、上城は後ろで、自分も感じているというようにため息をもらした。
「やっぱ、お前、ヤバい」
「ええ……」
「して、とか言われたら、もうこっちもとまんねえ」
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