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第9話

「――あっ」  なでられて、気持ちよさに睾丸がキュッと縮まった。 「……んっ」  じわっと快感がわいてぶるりと震え、目を細める。上城は満足げな顔になった。 「ホント、こうなるとお前は可愛くなるよな」  そう言いながら手を狭間に滑りこませてくる。ストラップビキニは尻が丸出しになっているから、いつもは隠れている場所がすぐに手が届くようになってしまっていた。  「……あ、はふ」 「Oバックはヤバイな」  丸みを擦りつつ、奥のとじた場所を親指で押してくる。ぐりぐりっとされて、陽向は身を竦ませた。 「んんっ」 「陽向、練習用のサポーターはまた違うデザインのやつ買ってやるから、これはこの部屋だけではくんだ。外じゃダメだ。わかったな」 「ん……、は、ふぁぃ」  指が奥へと忍んでくる。快感を期待して、腰がふにふにと揺れてしまう。上城は片手でベッドのわきにおいてある小型のチェストのひきだしをあけた。前はこの部屋になかった小物入れは、陽向が泊まるようになってから買い足されたものだ。その中には、繋がるときに陽向を楽にするためのものが入っている。  上城はローションとコンドームを取りだした。  手にとろりと液体をたらすと、ふたたび孔に指を沈めてくる。クチクチと舌打ちを続けるような音をたてて、そうしながら腰のあたりに唇を落としてきた。陽向は腰まわりが感じやすい。舐められたり甘噛みされたりすると、どうにも気持ちよくなって声がもれてしまう。 「……あ、あ、あ……んっ……」  小さな布に包まれた前の部分も、もうずいぶんふくらんできている。両足を擦りあわせるようにしていると、それを見た上城が苦笑した。 「もうちょっと焦らそうか」 「……なんで」  前も早く触って欲しいのに。 「可愛いから」  陽向は身体を小さく折り曲げた恰好で横向きに寝ていた。だから胸や腹は隠れていたが、背後は丸だしだった。さっきから恥ずかしくて顔は真っ赤だったし、今は意地悪されて目元も潤んでいる。情けない姿だという自覚はあるが、上城は陽向がこうなるといつも嬉しそうになるのだった。店では寡黙なバーテンダー、ジムではストィックなボクサーなのに、陽向をいじめるときだけは劣情を隠さない顔になる。エロくて煽情的で、なのにやっぱり恰好よくて、だから陽向もドロドロに蕩かされる。  体勢をコロリとうつ伏せに変えられて、両足を広げさせられた。 「……あ、ふ」

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