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第2話

 宏がさっき以上の剣幕で秋斗に問い詰めている。 「だ、誰だよ。それ!? この学校の女の子なのかっ!?」  クラス中が秋斗の返答を固唾をのんで待っている。  秋斗は何とも妖しい笑みとともに言ってのけた。 「秘密」 「なんだよ!? それ! あ、そうだっ」  宏が友悟のほうへ近づいてきた。 「おい、友悟! おまえなら秋斗から聞いてるだろ!! 誰なんだ? 秋斗の相手って……」 「えっ、えっ……? し、知らないよ」  まさか『自分』だなんて言えない。 「くっそー。いくらイケメンだからって、秋斗ばかりがもてて、この世は不公平だ!! 友悟もそう思わないか?」  宏がほえる。 「えっ? ま、まあ……」  そこへ秋斗が割り込んできた。  友悟の肩をぐいと抱き寄せ、 「宏、白兎にもちゃんと恋人いるから」  そんなことを言った。  あ、あ、秋斗っ? 「えー!?」  宏がさっき以上の声でほえ、クラスが一層ざわめく。 「ほんとなのか!? 友悟? おまえ。こんなおとなしそうな顔していっちょ前に彼女がいるのかぁぁぁ?」  友悟がどう答えるべきか迷っているうちに、秋斗が返事をした。 「すごく綺麗で、性格もいいとても色っぽい人だよ」  ……秋斗ってば。  秋斗のほうを見ると彼はこっそりとウインクをしてきた。

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