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第3話
「もう秋斗ってば、僕、心臓止まるかと思ったんだからね」
「別に嘘は言ってないからいいだろ?」
帰り道、友悟の自宅までの道のりを二人肩を並べて歩きながら、友悟は秋斗に抗議した。
今日は一日、宏たち悪友に、お相手は誰なのか教えろと聞かれまくり、ごまかすのが大変だったのだ。
「そりゃそうだけど……」
すごく綺麗で、性格もよくて、色っぽい……確かに秋斗そのものだけどさ。
「ああいうふうに言っておけば、おまえにちょっかいだそうなんてやつもいなくなるだろうし」
「……って。僕は秋斗と違ってそんなにもてないよ」
「友悟は自覚がないから厄介なんだ。一昨日の晩に話したおまえの魅力、もう一度一から話してやろうか?」
「い、いいよ。恥ずかしいから」
不意に秋斗が真剣な面持ちになって言った。
「オレは、おまえに近づくやつは女だろうが、男だろうが、絶対に許さないから……」
鋭いくらいの熱いまなざしで見られて、友悟の胸が高鳴る。
「あ、秋斗って……けっこう嫉妬深いんだ……?」
「オレ、独占欲強いよ……? 絶対におまえはオレだけのものだから」
「ぼ、僕は秋斗だけのものだよ……。でも秋斗も僕の、だけでいてね? 秋斗は本当にもてるから、少し……不安……」
友悟は秋斗にそう言った。
秋斗と恋人同士になれたのはこの上なく幸せだが、心の片隅にそういう不安があるのは確かだから。
すると、秋斗は友悟の目の前に自分の小指を差し出した。
「じゃ、指切りしようか、友悟」
「えっ……?」
「いつまでもいっしょにいようね、って……」
「秋斗……」
友悟は胸をキュンと疼かせながら、自分の小指を差し出す。
二人は小指を絡ませ合って、永遠を約束した……。
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