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怒れる狼 04
一瞬で肩を押され、気づけば目の前には天井と怒れる狼。
なに.....
俺.....押し倒され....て.....る...?
状況の理解に頭が追いつかない。
けど、少なくともヤバい状況である事に間違いないってことだけは分かる。
両腕しっかり掴まれて押さえられてる上に馬乗りの大神。
暴れようにも全くビクともしない。
なんなんだよ、この馬鹿力.....。
まるでベッドに縫い付けられたみたいに動けないじゃないか。
「人が折角親切に運んでやってさぁ.......?珍しく優しくしてやろうかなとか思ってるのにさぁ......?ほんっと、
お前可愛くない」
上から見下ろすように睨みつけられ、ドスの効いた声で一つ一つの言葉が紡がれていく。
声から分かるその怒り度は結構マックスに近い。
いや、もしかしたらマックスかもしれない。
それぐらいに大神の怒りがひしひしと伝わってくる。
そりゃそうだ。
親切にした相手に思い切り手を叩かれた上に、感謝の言葉もなく出てくるのは文句ばかりなのだから。
怒りたくもなるだろうさ。
でも.....分かっていても素直に言葉が出てこないのが俺の性分。
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