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怒れる狼 06
「〜〜〜!!!!てっめぇ、噛みつきやがったな!!!」
「.....お前が悪い」
「はぁ!!?...ちょ、ま....まてって....っ!」
痛みに顔をしかめ、思い切り睨みつけるも効果なし。
御構い無しに再び近づいてくる大神に頭突きを食らわせるもあっけなく避けられ「覚悟しとけよ」と囁かれる。
「覚悟....ってどーゆー意味だよ....!!」
「まんまの意味だ。あえて言うなら....俺を怒らせた罰、ってところか?」
「ふざっ....け.......ッ」
するりと俺のネクタイが解かれ、抵抗も虚しく両手が一纏めに縛り上げられる。
「お前に拒否権ないから」と釘をさされ、喉まで出かけた文句が行き場を失い奥に引っ込む。
「やっぱバカな犬はちゃんと躾けないとな.....俺とした事が、盲点だった」
どこか楽しそうに、それでいて妖しげに笑う大神がここまで怖いとは。
口では強気な俺だけど、正直結構ビビってる。
怖くないわけがない。
「さて....お仕置きという名の遊戯(ゲーム)を始めようか」
これから楽しくなるな、とクスクス笑う狼の瞳は狙った獲物を逃すまいとギラギラ光る。
ああ.....最悪な獣に捕まった。
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