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不完全燃焼 03

「.....んっ、く.....」 物思いにふけながら1人寂しく自慰をして。 出したものをティッシュで拭き取りゴミ箱に投げ捨てる。 そのまま自分だけシャワーを浴びようかとも考えた。 しかしこのベッドを放置するわけにもいかず、スヤスヤと眠る天宮を担ぎ上げ風呂場へ連れて行った。 時計の針はまもなく夜中の2時を指そうとしている。 湯船を張るには遅い時間。 シャワーだけ浴びせて後処理も済ませる。 初めて抱いた後輩、それも男。 もっと言うなら抱いたというより犯した。 そんな相手の介抱を自分がすることになるとは....。 普段の俺なら絶対放置してる。 けれど放置する事に気が引けた。 何故だかは....よく分からない。 「....ほんと、らしくない。なにやってんだか」 自分でもよく分からない行動にため息が漏れる。 感情も言動も珍しくコントロール出来なかったなんて。 .....全部お前のせいだ。 モヤモヤする気持ちを誰かのせいにしてぶつけたくて。 爆睡する天宮の鼻をつまむと息が詰まった様な声が出た。 「.....っ、なに、今の声.....っ」 その声がなんとも滑稽で。 起きないのをいい事に何度か繰り返す。 その度に「んぐっ」とか「ふがっ」とか声が出て。 「やばっ....ツボっ....ふ、...ぁははっ、やばい....っ」 妙にツボにハマった俺は 笑い声を極力堪えてしばらく風呂場で爆笑していた。

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