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会長の部屋 03
「....俺の部屋になんか用か」
「っ!!!お、大神.....起きてたのか」
ドアノブに手をかけたところで声を掛けられ、慌てて手を離す。
「いや、さっき起きた。
朝っぱらから他人の寮室物色してて楽しいか?」
寝室の入り口に寄り掛かり、こちらを見つめる大神。
俺が気づくと寝癖のついた髪を揺を揺らしながらキッチンへ行き、ウォーターサーバーからコップ一杯水を飲んだ。
ウォーターサーバー付きとか。
朝から優雅かよ。
そんな事を思いつつぼーっと突っ立つ。
「....んで、今まだ朝の6時なんだけど。
他人様の部屋漁って君は一体を何していたのかな」
「漁っ....!!俺はただ自分の服を探してただけだ!」
確かに部屋を物色してた。
が、若干語弊のある言い方を慌てて修正する。
俺はただ自分の服と荷物を探してただけだ。
やましい事はしてない。
大神の部屋に興味がない.....というと嘘になるけども。
「他人の部屋勝手に覗こうとしたくせに」
「っ、....そ....れは.....」
「その部屋には許可なく入んな。絶対にだ」
しどろもどろになった俺に釘をさす大神。
入ったらぶっ殺す、と凄まれ必死で頷いた。
そんなに....見られたくないものでもあるのかな。
大神を見つめて考える。
何だろう、何を隠してる。
......。
エロ本とか?
.......まさかな。
「......いやいやいや、それはないか......」
「なに?」
「い、いや!なんでもない!」
怪しげにこちらを見る大神に引きつった笑みを送って視線を逸らす。
真実はどうかわからないが、
お陰様で大神の個室だけが覗けずお預けとなった。
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