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お呼び出し 04
「.......呼んだ?」
「はぁ...部屋に入る時にはノックをしろと何度言ったら分かってくれるのかな、君は」
いつものようにノック無しで扉を開けたにも関わらず、お馴染みの奴とバッチリ目が合う。
まるで待ってましたと言わんばかりの呆れた顔をして。
「忙しいのに君を呼び出すこっちの身にもなっ.....」
「はいはい。で、要件は?」
「....っ、....」
いつもの様に始まるお説教じみた会話をいつもの様にぶった斬り、何度見たか分からない笑顔のまま固まる大神を無視してさっさと本題に迫る。
いつもの様に。
そしてここから大神の長ったらしい話が始まる。
これまたいつもの様に。
簡潔にまとめると、どうやら俺の進級...今回は中等部卒業と高等部への進学が危ういらしい。
成績は優秀なはずなのに.....だ。
学校の規定上試験の成績が良ければ、例え態度が悪くても進学進級は認められる。
ただ俺の場合、生徒からの不満が相次いでいるそうだ。
毎日ほぼ毎時間授業をサボり続け、やる気が見られるわけでもなく、頻繁に問題ばかり起こす問題児。
そんな奴が初等部から中等部までの9年間首席をキープし続け、常日頃特に咎められることもなく進学する。
それも首席で。
そして優遇措置を受ける。
そりゃ文句も出るはずだ。
「.....という訳で、今、審議中だ」
「.....あっそ。それ俺に言われてもどーしようもない....
てか、まさかこの説明のためだけに呼び出された訳?」
未だに自分がなぜここに呼ばれたのか分からない。
こんな俺にどうこうできる問題ではないし、書類で通知すれば十分な話しだ。
なのに何でわざわざ....
「....理事長が、」
「?」
「理事長が、今後授業にちゃんと出席すると約束するならば咎めないと仰った」
「.......は?」
((....待て。
俺に、授業に出ろって言ってんのかあのおっさん...!))
「はぁ!?ふっざけんな!なんで俺がっ....」
「ま、そう簡単には納得しないだろうと思ってな。
だからこれは特別に俺からの提案」
椅子から立ち上がり、俺の前に立っては軽く腰を折って目線を合わせてくる大神。
距離を置くように一歩後ずさる。
多分今ものすごく顔が引きつってる。
何事かと固まる俺に対し、にこやかな笑みを浮かべたまま大神は言う。
「俺とゲームしないか?」
『俺が今1番欲しいものを探し1時間以内に持ってこい』
そんな無謀な一言だった。
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